5年 鳴らそう!フィルムケース電磁ブザー①

公開日: 2018年10月16日火曜日

久しぶりの投稿になりました。

5年「電磁石のはたらき」の単元での実践をご紹介していきます。

今回,教材として開発したのが,「フィルムケース電磁ブザー」です。

これまで,電磁石の授業でオーソドックスだったのは,
電磁石の釣り竿を作って,様々な重さの魚を釣り上げるゲームを行い,
より強い電磁石を作ろうとする学びを展開いく授業ではなかったでしょうか。

私も何度かこのような単元づくりをしてきました。
単元のゴールには,鉄心に太いエナメル線をぐるぐると果てしなく巻き付けた
コイル釣り竿が出来上がったものです。

しかし,実際の電磁石が使われている携帯電話等を見てみると,
限られた電圧,限られたスペースで必要なはたらきをするように
設計されています。
つまり,エナメル線の太さや巻数のバランスを見ているのです。

限られた状況下に於いて能力を発揮できるようなものづくりの過程においては,
関係する様々な要素のバランスが重要です。
要素の変数を大きくしさえすればよいという考えから
本単元では,複数の要素を調整するという量的・関係的な見方をより働かせる
ような場面を設定していきます。
そこにこそ,これから求められる理科の見方・考え方を働かせる場面があると
考えるからです。

ちょっと前置きが長くなりましたが,電磁石を用いたブザーを作ります。

右のフィルムケースの中にボルトとナットにエナメル線を巻き付けたコイルが
入っています。

一見,簡単そうに見えるこのブザー,子どもたちに大きな音の鳴る電磁ブザーを
提示すると,次のような話を始めました。

(ブザーの音が鳴る「ビーーーーー」)
C   :わっ!
TK   :えっ,何?
SR   :ひげそり?
C     :せみ!
AN   :携帯のアラーム
SR   :鉄とかを削るカッターみたいな音
T   :スピーカーとかついているわけじゃないでしょ?だけどどうして音が出るの?
C   :震えてる?
SR   :先生がつないだところと当たっている鉄板部分が震えているから音が出るんだ
            とおもう。
T   :もう一度見てみてよ
C   :ほんとだ。震えてる。
T   :電磁ブザーっていうんだけど,今回の学習では,これを作ってもらいたい。
C   :よっしゃー!
AN  :じゃあ,オレそれ持って帰って,不審者に会ったときにビーって鳴るようにする。
SR :でも,それじゃあちょっと足りないから,もっとでっかく強力なやつ作ればいい。

鉄板が震えたことによって音が鳴るということを確認すると,ANくんは,日常生活で
同じように用いられている防犯ブザーを想起しました。
SRくんは,それを聴いて,さらに音を大きくする必要性を訴えました。
フィルムケース電磁ブザーを作りたいという思いをもたせたところで,音が電流が流
れたときのみ鉄板を引きつけるという電磁石のはたらきに気付かせるために,鉄板の
震える仕組みを拡大モデルを提示しました。

電流が流れた時のみ磁石の力をもつコイルに鉄心を通したものを電磁石ということな
ど,本単元で用いる道具を科学的用語として確かめました。
その後,フィルムケース内に入っているコイルを取り出し,ペアに1つずつボルト,
ナット,エナメル線を渡して巻き方を例示しました。さらにエナメル線は銅線をエナ
メルという電流を流さない塗料でコーティングしたものであることを伝えて,電流を
流したい部分は火で被膜を焼き,紙やすりでこするとよいことを演示しました。

子どもたちは,ペアでエナメル線を巻き電磁石を実際に製作しました。巻き方の演示
を丁寧に行ってから子どもたちの作業に入ったため,エナメル線が絡まって巻くのに
手間取るペアはおらず,時間内に全てのペアが電磁石を作り,クリップや釘などをつ
けてみて,電磁石になることを確かめることができた。電磁石は,フィルムケースに
入れ,それぞれに持って帰るようにしました。

さあ,いよいよ探究の始まりです。

理科部 松山 明道
matsuyama-a@educ.kumamoto-u.ac.jp

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