4年理科「とじ込めた空気や水」(6時間目❷) ~目指せ!ハイパー水鉄砲クリエイター~

公開日: 2023年7月16日日曜日 4年

一つ前に投稿した記事の続きです。このあと多く出てくるめもりとは、ペットボトルにつけた印で、下部から上部に向かって1、2、3、4、5です。つまり、めもり1なら水が少なく空気が多い、5なら少なく水が多いという状態です。

【7班の様子】

ひかり:はい,5。(水を5のめもりまで入れて、グループの仲間にボトルを渡している。)

ひかり:もれてるって!

しゅん:水が多すぎていけない(圧せない)。
グループ内で交代しながら空気入れを30回ほど圧した後,水を飛ばしてみた子どもたち。しかし,水は1mも飛びません。圧すことに夢中になりすぎたのか、時間を計ることもなければ,データを黒板に貼りに行くこともなく…。

ひかり:次は3(のめもり)でいいか。
ひかりさんが3のめもりまで水を汲んできたペットボトル受け取ったしゅんくん。空気入れで7回ほど圧しました。

しゅん:10回まで圧そう。

ひかり:(水が)もれてる!もれてる!

それでも30回ほど空気入れを圧した後発射!…今度は4mほど水が飛び,タブレットで時間も計ることができました。ただ、この授業で一番反省しなければならないのが、揃える条件を「圧せるまで」に設定した点です。子どもたちはチューブの隙間から空気が漏れていることを気づきながらも,30回も40回も圧し続けていました。(予備実験として大人が同じ条件で圧したとき,6~8回ほどしか圧せなかったのですから,相当量の空気が漏れていることになります。)つまり器具が破損し,正確なデータは得られていないのです。子どもたちもそれにうすうす気づいていて,なんだかもやもやした様子です。実験の結果がこちらです。

子どもたちが「さらに実験したい」と言うならば実験する時間を延ばし、さらにデータを集められるようにしてもいいと思っていました。しかし、子どもたちは結果が貼られた模造紙を見て,どうにかして規則性を見いだそうとしていたので、そのまま全体の場を続けました。次はその時のやりとりです。

しゅん:秒数だったら,僕たちが勝ってる(右側の青い付箋のことを言っています。図中桃色枠囲み部分)。

T:どれ?結果を整理したいなと思うのだけど…。色ごとに見ていきます?

ようた:5のめもりの時は秒数が多くて,1や2の時は飛ぶ距離が多い。7班の112秒とか。

けん:5のめもりは全然長い(時間)がない。

ひかり:時間は長くなるけど,短い距離であまり遠くまで飛ばなくて…。

C:5の水の量は時間が短くてちょっとだけ飛んで,4のときは時間が長くて飛ぶ距離は短いから,結構多くやるとあんまり飛ばない。

T:多くやるって,どういうこと?

C:水の量を多くすると飛ばないのかな。

T:みんなどう思う?

CC:…。

T:水が多いと,みんなはどう思った?

CC:長い時間(飛ぶ)。

T:水の量が多いと長い時間飛ぶんじゃないかなって言ってくれてるけど,そもそもなんで?

ようた:空気の圧がかかりにくいんゃないかなって。前,注射器で水を圧したときに空気なしでやったじゃないですか。だから圧せなかったじゃないですか。空気ありだと空気がすんごい固まって,空気は圧される性質だから,水も一緒に圧すと思うから,水の量が多ければ,空気の量は少ないじゃないですか。だから,圧がかかるけど,水の方がものすごく多いから、圧されるとしても(水が多くて空気が少ない時は)水は少しだけ圧されるんじゃないかな。

かおり:私は去年,自由研究で同じようなことをやって,水の量とかペットボトルに穴を開けて,高いやつ,中くらいのやつ,低いややつで水を出してみて,高いやつだけ時間が長くて,それは5と関係してるんじゃないかなって。

ようたくんやかおりさんはこれまでの学習や経験から自分の考えを全体の場で語ってくれました。でも、多くの子どもが二人の発言についていけない様子です。

T:近くの人と話してみます?

【7班の様子】

つよし:ノートかして。ペットボトルがあるでしょ。ここまでが水だよ。こっちから水が入ってくる。3だったら空気がいっぱい入るから,空気がいっぱい入るってことは圧す力が強くなって,距離は長いけど一瞬で空気がなくなるから時間は短いけど,5のめもりは圧す力は弱いから遠くまで飛ばないけど,長い時間飛ばない。

ひかり:あーー,わかったわかった。

先ほどのようたくんやかおりさんの発言への反応は薄かったのですが、このやりとりを聞いていると、子どもたちは自分の考えをもっていることが分かります。

しゅん:考察で言ったら,長い距離で飛べたとしても時間は短く,時間が長いけれど長さは短いってことになるから,遠く長くは絶対無理じゃん。無理だよ。だってさ,僕たちは秒数だけを求めてるわけでもなく,遠くだけでもないじゃん。僕たちが目指したいのは。

つよし:5,4は飛距離あんまりないよね。3,2,1は(飛距離が)ある。だって,水が多いほど水が浮かばせる力が強いってことじゃん。で,それより空気が少ないほうが空気は圧せるけど威力は減るよね。

再び全体に戻ります。

つよし:僕たちが話したのは,5のところについてなんですけど,5のところは水が多くて空気が少ないじゃないですか。空気って少なくても水を圧せるけど,水は浮かばせる力があるから,空気だったら不利だから,だんだんと圧すしかなくて,長い時間はいくけど距離は短くて。って考えると,4も飛びにくいんじゃないかなと思ったんですよ。5とほとんど同じで空気の方が不利だから,飛びにくくて,3・2・1が飛びやすいと思うんですよ。3は同じ量入るから互角で,3は3位くらいに飛ぶと思って。2と1は空気の方が多いから,空気が一瞬で水を圧すから,その力で勢いよく飛ぶけど,空気も一緒に勢いよく抜けるから時間も短くなるんじゃないかなって。

T:2や1は水を勢い良く圧せるって言ってるけど?

C:空気がたくさんあって圧がかかるから…。

T:空気は圧せるんだよね。空気は圧がかけやすいから勢いよく圧せるから…時間が?

CC:短い。

T:みんなはどんな水鉄砲にしたいんだったっけ?

CC:遠く。長く。遠く長く。

かおり:5と4は遠く飛んでるんですよ。2と1が長く飛んでるんですよ。で、その真ん中だったら、かなり飛ぶんじゃないかなって。

しゅん:ぼくは飛ばないと思う。

T:どっちが?

しゅん:どっちともはできないと思う。

T:両方は追究できないんじゃないかなってこと?

しゅん:どうしても欠点がある。例えば遠くに飛ばせました、でも時間は短い。時間は長かった、でも飛ぶ距離は短い、というように。どしても欠点がある。両方は難しい。

T:でもさっきのかおりさんの言葉を借りると、3ならいけるんじゃないかなということ?

C:私たちの班は3でやったんでけど、2だと水の量が少なくて飛ばないしし、5だとだし長い時間は飛ぶけど遠くまでは行かないかないから、しゅんくんが言うように両方は難しい。

つよし:3も難しい。だって、空気って少なくても水に勝てるじゃないですか。だから、平等だと空気が勝っちゃって、勢いよく水が出ちゃうから、3も難しいんじゃないかな。

この授業を通して、水が多く空気が少ない時と、水が少なく空気が多い時、それぞれに欠点があることに気づいていった子どもたち。自分のオリジナル水鉄砲を考案するにあたり、ペットボトル内の水と空気の割合をじっくり考えることができました。今回も長くなってしまいました。最後までお読みくださりありがとうございました。


これにてこの単元のブログはおしまいです。ご感想もお待ちしております(^^)

赤星愛(ちか)cakahoshi@educ.kumamoto-u.ac.jp

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