【第５学年：電磁石のはたらき】電磁石メイズをクリアせよ！～実践紹介⓪・①～
公開日： 2025年11月10日月曜日
本校一年目、理科部の境目です。本年度は、５年生の子どもたちと一緒に、自身のテーマである「目の前の事実から語る理科学習」に向かって学習を進めています。
今回は、５年生の「電磁石のはたらき」の実践について紹介いたします。
自分自身の電磁石の単元を思い出すと、子どもたちの想いに寄り添い「強い電磁石をつくるために」と学習を進めてきていました。しかし、生活の中で電磁石やエネルギーに関して見つめなおしてみると、必ずしも強ければよいという場面だけではないはすです。
家電製品がそうであるように、目的や必要に応じて強さを調整しながらエネルギーを活用しています。将来、子どもたちがエネルギーを有効活用できるような視点をもつことができるように今回の学習を計画しました。
「電磁石メイズ」と題した３つのステージを活用し、9mmのスチールボールを電磁石の力で操作しながら、様々なミッションにチャレンジしていきます。電磁石の磁力や極をコントロール（調整）しながら様々なミッションをクリアしながら、電磁石のはたらきについて学んでいきます。
【第１時：電磁石との出会い・課題の立ち上げ】
ブラックボックス化した段ボールの上部で、クリップ付きのアヒルが動く様子を見た子どもたちは、「磁石で動かしている」と次々と話し始めました。
黒板で使用するような丸い磁石を想像していた子どもたちは実際に裏側をみて驚きました。実際は、鉄心とコイルでできた電磁石とはじめて出会い、「自分たちで作りたい！」という思いが高まってきました。
自作した電磁磁石でゼムクリップや方位磁針を近づけて遊ぶ中でさまざまな気づきが出てきました。
（鉄心に電流を流そうと回路をつくっている子ども）
Ｃ：（クリップ１個がやっとひきつけられる）磁力が弱いな。
（正しくコイルに電流が流れている子ども）
Ｃ：あ、（クリップが８個）くっついた！
Ｃ：先生見てください！（クリップが１０個以上ついている）
Ｃ：こっちも見てください！（方位磁針をグルグル回しているようす）
Ｃ：電気切っても（クリップが）くっつくやつがある。
（正しく磁力が発生しているのか方位磁針で確認している子ども）
Ｃ：これでいけるんじゃない。あ、いけたいけた。でもクリップはつかないよ。（回路の）つけ方が悪いのかな？（繋ぎ変える）
Ｔ：どうしました？
Ｃ：方位磁針は動くんだけど、クリップがつかなくて。でも、繋ぐところを（導線を金属部分に正しく）かえたらクリップもつきました。（方位磁針を、電磁石と棒磁石に近づけて、それぞれの性質を比較しているようす）
各自で電磁石で遊んでみた後、全体で気づきを出し合いました。
Ｃ：電磁石のスイッチを切っても、ついていたクリップがそのままくっついていた
Ｃ：棒磁石は手で引きはがさないといけないけれど、豆電球が消えるのと同じで、つかなくなって落ちると思いました。
Ｃ：スイッチを切ると電流が流れなくなる。でもついていたクリップが磁石になるんじゃないのかな。
Ｔ：棒磁石の時に似た経験はありました？
Ｃ：小さな釘が棒磁石を離してもしばらくくっついてたから、それと同じかも。
Ｔ：棒磁石と比べて他にも気づきはありましたか？
Ｃ：Ｓ極とＮ極がありました。
Ｔ：ほんとに？詳しく教えてもらっていいですか？
Ｃ：棒磁石のＮ極を方位磁針に近づけると、方位磁針の色のついていない部分（Ｓ極）が引き寄せられてて、反対にすると反対が引き寄せられます。だから、（電磁石にも）Ｓ極とＮ極があると思います。
ＣＣ：あ～
Ｃ：関連して、○○君のと比べていたんですけど、巻く方向が自分と逆で、コンパスに近づけたらそれぞれ違う方の針が向いていたから、Ｓ極とＮ極は巻く方向によって逆になるんじゃないかなと思いました。
Ｔ：巻く向きによって電磁石の極は入れ替わるんじゃないかということですね。
次回は、１ｓｔステージに挑戦します！
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