【5年理科】「見つめよう!生命のたんじょう」③ 〜単元構成:生きている物ってどんなもの?〜

公開日: 2026年6月15日月曜日 5年

5年生理科を担当している吉田です。

前回、人間と同じように卵からスタートするからメダカにもオスメスがあるはずだとスタートし、メダカの見分け方がわかった子ども達。

メダカの雌雄の時には、人間の女性と男性もそれぞれの体で役割がありそうだから…と人間と比較する姿がありました。

実は、その前の単元の「植物の発芽と成長」の種子の中の養分を調べる学習の時にも、人間もお腹の中にいる時はお母さんから栄養をもらっているから、きっと栄養をもらってから種はお母さん(植物の体)から離れたはずだと、人間と比較する姿がありました。


私は、理科の生命領域においては、植物・動物・ヒトを比較しながら、それぞれの機能と構造について共通性・多様性の視点で捉えていくのが大切だと感じています。

現在、多くの方々に言われている生物の定義は、①外界と膜で仕切られている。②代謝(物質やエネルギーの流れ)を行う。③自分の複製を作る。ことの3つだと言われています。


でもこれは大人が考えていること。

では子どもたちはどのように考えているのか、ちょっと尋ねてみました。


まずはこの教室にいる生き物を尋ねました。

すると目の前の水槽にいるメダカ、前単元で育てたインゲンマメ、それ以外にも教室で飼育している(ヌマ)エビ、タナゴ、水草、カブトムシ、トウモロコシ、ツユクサ、そして自分たち人間が出てきました。

さらに、じゃあ生きているものってどんなもの?と尋ねました。

実は、この話題は一年前の季節と生物に入る4年生の4月にもしています。

その時の板書を比較してみます。


昨年度は1年間をかけて、季節と関連付けながら生き物について考えてきました。

ちょっと尋ね方は変わっているので多少の違いはありますが、子ども達から出てきている言葉は大きく変わっています。

ゆう:自分の子どもとか、なんか、命をつないでいるものだと思います。

T :確かに。(みんなの前にいる)メダカはそうだね。植物もそう?

CC:植物は種!

ゆう:メダカは卵で、植物は種。

れん:鳥とかもそうじゃない?例外はいるかもしれないけれど。

ひな:人間はあれだよね、またちょっと違うよね。

今、目の前に卵を持っているメダカたちがいることも大きく影響していますし、昨年度、越冬をするために、次の世代に残す種がいることを学んだこともあるかもしれません。

5年生の生き物の単元(生命領域)では、この自分の子どもを作ることに注目しながら学習を進めていくことを確認しました。


ここから今回の単元について説明をいたします。

「見つめよう!生命のたんじょう」では、「動物の誕生」の中でも受精後から孵化(出産)に着目し、「魚の誕生」と「人の誕生」の学習を複合して扱っていきます。

ここでは、子どもが魚を育てたり人の発生についての資料を活用したりする中で、卵や胎児の様子に着目して、時間の経過と関係づけて、動物の発生や成長を調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験等に関する技能を身につけることをねらいとしています。

また、主に既習の内容や生活経験をもとに、観察の方法を発想する力や生命を尊重する態度、主体的に問題解決しようとする態度を育成することもねらいとしています。

この魚の誕生や人の誕生の学習は、それぞれが独立した単元として扱われることが多く、人の誕生の時に魚の誕生での学習を想起しながら学習を進めていきます。

しかし、前述したように、子ども達は人間をベースに語ろうとする姿があります。

ただ、人の生命の誕生に関する知識が曖昧なため、確証が持てないまま語ることになってしまいます。

また、直接観察が可能な魚の卵では、見た目の変化に着目した観察をし、直接観察が不可能な人の誕生では、教科書や資料の図をまとめるだけの学習になりやすく、動物に共通する発生を概念的に理解することに課題があると考えます。


今回の学習の流れは以下の通りです。

まず1班に1つのミニ水槽による飼育で、子ども達が毎日卵を採取できる環境を作ります。

毎日の観察の中で、卵の中に目が出来ていく様子や卵の中が白くなっている様子など形に着目するでしょう。

メダカの卵の中の成長に着目させた時、子ども達は人を元に語ります。

しかし、人の胎児の成長についてよくわかっていないことに気づくはずです。

そこで、まずは人の胎児の成長について形に着目しながら調べ学習を行い、その経験を元にメダカの卵の成長を予想し実際に観察をします。

直接観察することで、子ども達は卵の中の形の変化だけでなく、力強く動く心臓の拍動に気づくはずです。

すると、人の胎児の成長についても、形の変化だけでなく、内部の変化に着目しはじめます。

このようにして、卵生と胎生の相違点はあっても、少しずつ外見が形作られていくことと同時に内部の構造も少しずつ形作られているという生命のはじまりには共通点があることを捉えられるようにしていきたいと考えています。


ここまで読んでいただきありがとうございました。


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