【研発単元】ものの溶け方⑥⑦⑧水の温度を上げると…
公開日: 2025年2月11日火曜日
第6・7・8時
一定量の水に食塩が溶ける量には限りがあると気付かせることで、「たくさん溶かしたい」という思いを引き出し、生活経験に基づいて水の温度を変えて試す。
単元の序盤から「水の温度を上げて、物質をもっと溶かしたい」という思いをもつ子どもが一定数いたことから、問題を「水の温度と(水に)溶ける量はどのように関係しているのだろうか」と設定しました。ただ、問題に対する予想を語ったとき、以下の考えが表出しました。
・温度を上げるととける感じがする。だってロウもとけるから。
・チョコや飴、氷もとける。
「水に溶ける」ことと「固体が液体になる」ことを混同している子どもも多いようです。ここでは「水に溶ける」ことを研究していると確認して、実験に移りました。
実験結果は上の通りです(ミョウバンは赤、食塩は緑)。結果の共有場面では、「水を温めると、ミョウバンは食塩より溶ける量が増えた」や「水の温度を上げても、食塩は少しずつしか溶ける量は増えなかった」といった物質による違いを明らかにしているときに、よしおさんから「相性」ということばが発せられました。次はそのあとのやり取りです。
よしお 相性かな? せいじ 温度によって相性が違う。 T 何と何の相性? せいこ 相性っていうか、人の体で説明すると、この人(水)は砂糖は好きだけど、この人(水)はミョウバンしか食べれないみたいな感じ。相性ってこういうことじゃない? ひでこ 人間も食べ物の好き嫌いがありますよね。それと同じで、温度が高い水はミョウバンが好き。 T 食塩と比べると?ミョウバンと食塩では、水に溶ける量は違ったね。 しゅん 高い温度の食塩より、高い温度のミョウバンが食べやすいのはどうしてだろう。 |
そこで、モデルで表してみることにしました。
はるこ 私は、4年生の時に習った水が膨張して大きくなるっていうことで考えたんですけど、 もともと小さかった水が大きくなって食べれる量が増えたからと思いました。 C なるほど! よしお じゃあなんで、食塩とミョウバンで食べれる量が違うんだろう。 例えば15℃のとき、食塩は水の粒の中にたくさん入るけど、ミョウバンの粒は大きくて たくさん入んない。温度を上げると、食塩の粒はあまり大きさが変わらないから溶ける量は あまり変わらないけど、ミョウバンは粒が小さくなって水の中にたくさん入ると思う。 せいこ 似てる似てる!水はミョウバンのことが最初は嫌いだけど、温めたらよりおいしくなる。 苦手なものを子どもに食べさせても食べない。でもおいしいと食べる。 T ももこさん、似てることを言ってたよね。 ももこ ミョウバンは冷たいと美味しくないけど、温めると美味しくなるからいっぱい溶ける。 でも、食塩は温めても冷たくても味は変わらない。 T ゆうやさん、あーーって言っていたけど、何にあーーって思えたの? ゆうや 自分が言いたいことをうまく例えてくれた。 ゆでこ 私は別の例えなんですけど、低い温度の時も食塩と水は仲良し。 高い温度になると仲悪くなる。でも、ミョウバンは低い温度の時にはあまり仲良くなくて、 高い温度になったら親友になる感じ。 T 実験事実と比べて、溶け方を説明できていますか? C 仲が悪くなるわけじゃないね。そのままって感じだ。 |
はるこさんたちのモデル(温度が上がると溶ける量が増えるのは、水が膨張するからだ説) |
よしおさんたちのモデル(ミョウバンと食塩の溶ける量の違いを粒の数で表現しているもの) |
ミョウバンと食塩では溶ける量が異なることを、ミョウバンと食塩の粒の大きさで仮説を立てたり、自分たちの生活経験に基づいて【食べ物の好き嫌い】で表したりすることで、実験により得られた事実を説明しようとする子どもの姿がありました。
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