【研発単元】5年生「ものの溶け方」③質量保存編

公開日: 2025年2月3日月曜日 5年

 第3時【保存が保存される】
「溶かした分だけ重くなったはずだ」という考えを取り上げることで、実験前後での質量を比べ、見えなくなっても水溶液中に物質が存在していることを見いだせるようにする。

前時の振り返りを取り上げた上で、「重さ」についての子どもそれぞれの捉えを表出させました。以下はその時のやり取りの一部です。
せいこ 人間がごはんを食べて出さないのと一緒じゃないかな。
CC  あー!
りょう それ(水の粒)がいっぱい集まって。
T   とすると、昨日、鍵になりそうって言っていた重さは?
せいや なくなっているわけじゃないから、入れた砂糖の分だけ重くなる。
よしお せいこさんの図でも、なくなってるわけじゃなくて(水の粒の中に)たまってるもん。
T   でも溶けたら透明ですよ?
しゅう 前、メダカを買うときに、グリーンウォーターを使ったじゃないですか。
    微生物が水にたくさん溶けているやつ。微生物自体は見えない。
    微生物はものすごーく小さいから、見えなくなる。
    砂糖も水に溶けたら、微生物と同じくらいの大きさになるはずだから、見えなくなる。
なな  前に水に木を入れると重くなるっていう実験をやったじゃないですか。
    それを基に考えると、砂糖を入れたら砂糖を入れた分だけ重くなる。
    見えないけど、小さくなってその分重くなると思う。
ゆうや この前飴を溶かしたときに飴が小さくなってきたから、それが砂糖とか食塩に変わるだけだから、水の中にあると思います。
生活や学習経験を基に、多くの子どもたちは溶かした分だけ重くなるという考えを持っているようです。教師は「溶けたら透明ですよ?」と子どもを揺さぶる発問によって、水溶液は透明であっても物質がその中に存在し続けることについて考えをもてるようにしました。
その上で、本時は「物を水に溶かすと、水溶液の重さはどうなるのだろうか。」という問題を設定し、自分たちで発想した解決の方法で実験することにしました。以下は、実験を終えて結果を共有した後の、全体の場でのやり取りの一部です。
しゅう 食べた分だけ体が大きくなって、体重が大きくなるのと一緒。
T   水溶液って人間と同じなんだね。でも見えないですよ。
ひでこ 物質にも重さはあるから、溶けたとしても重さはある。
せいこ いろはすに味付きのがあるじゃないですか。
    それみたいな物で、フレーバーウォーターっていうのがあって、
    前、それを入れて重さを量ったら重くなってたんですよ。透明なのに。味もしたし。
実験で得た事実と生活経験をつなげて考える姿がありました。
粒子領域で大切にしたいのは「見えないものを、見ようとする」ということ。見えないくらいの大きさで存在し続けていることを「重さ」を手がかりに突き止めていくことができました。

【振り返り】

次時間はこちら→http://rika-kumadaifuzokusho.blogspot.com/2025/02/blog-post_6.html


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