【研発単元】溶け方④水の量を増やして、もっと溶かしたい!

公開日: 2025年2月6日木曜日 5年

 第4時
一定量の水に食塩が溶ける量には限りがあると気付かせることで「たくさん溶かしたい」という思いを引き出し、生活経験に基づいて水の量を変えて試す。

 教師は前時の見取りを基に、ミョウバンがビーカーの中に溶け残って困っていたてつおさんを意図的に指名し、全体に取り上げ、問題「ミョウバンと食塩が水に溶ける量には限界があるのか」を設定しました。以下は、導入場面でのやり取りの一部です。
T   しゅんさんが「溶ける量には限界がある」って言っていたのを覚えていますか?
せいこ そう、水が飲み込める量のこと。
T   てつおさんの班は溶け残って、困っていましたよね。
てつお そう、最初は潰しながら混ぜたら溶けたんだけど、だんだん溶けなくなった。
ゆうた 塩も限界があった。
T   何gぐらい溶かすと限界になるのかな?
 ただし、単元の導入場面で「溶ける」ことを深掘りし過ぎたため、全体では「溶ける」ことについての認識が揃っていませんでした。そこで、ここでは「溶ける」ことを、①透明であること、②下に残っていないこと、③粒が見えなくなることをと捉えることを確認しました。また、水の量を100mLに揃えることとその意味、体積を調べるにはメスシリンダーを使うことを確認し、解決の方法について考えていきました。
T   何gずつ溶かしていきましょうか?
せいこ 100g。
C   いやいや、そんなに溶けないよ。
C   ミョウバンはほとんど解けなかったから10gずつ?
T   前回の実験の結果をもとに、溶かす量を決めるといいですね。

 1時間目・2時間目の段階で「水の量を増やしてもっと溶かしたい」という思いが表出していたので、次の活動につながるように、小さなボトルではなく500mLのペットボトルを用いました。そうすることで、食塩もミョウバンも比較的簡単に溶かすことができたようです。

 ミョウバンは1gずつ溶かし、食塩は10gずつ溶かした後、溶けにくくなったら1gずつに変更するグループが大半でした。前時の実験の結果を生かしていることがよく分かります。実験後の全体の場でのやりとりの一部です。
なな  ミョウバンより食塩が多く溶けました。
ゆうや ミョウバンは10g以上は溶けなくて、食塩は40g以上溶けない。
T   しゅんさんが言っていた限度があるんだね。理科の言葉で「溶解度」と言います。
    溶ける量にはきまりがありそうだね。
    それで、実はりょうさんが我慢できずに、こんなのやったのよ。みんなに紹介してみて!
〈水の量を200mLにしたペットボトルをみんなに見せて〉
CC  あー!!
りょう 200mLにした!
T   りょうさんは100mLのとき33g溶けたんですよね。
    200mLにしたから、何g溶けると思ったの?
かずや 2倍!
C   比例してるかも!
T   今、仮説が立ったね。水の量を増やすと?
C   水の量を2倍にすると、溶ける量も2倍になるのではないか。
T   次の時間、することが決まりましたね。
 算数で学習した比例を生かしながら考えをまとめる姿がありました。教師は、子どもが無自覚に働かせた量的な見方を言語化できるようにかかわりました。次時は水の量を増やすと溶ける量も増えるのではないかという仮説をもとに実験を組み立てていきます。おもしろくなってきました☺️


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